銀行カードローンの自主規制(全国銀行協会)
銀行カードローンには貸金業法の総量規制がかかりません。その代わりに、業界団体の申し合わせと金融庁の調査で、審査や広告のあり方が示されています。
申し合わせが出された経緯
全国銀行協会は2017年3月16日、銀行カードローンの残高増加を受けて、理事会で「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」を行いました。改正貸金業法の趣旨を踏まえた広告と審査態勢の整備を、より一層徹底するという内容です。
申し合わせの主な項目
| 項目 | 申し合わせの内容(要旨) |
|---|---|
| 広告・宣伝 | 総量規制の対象外であることや年収証明書が不要であることを強調するなど、過剰な借入れにつながる表示を避け、注意喚起を行う |
| 収入状況の把握 | 年収証明書や自行の顧客情報で収入と返済能力をより正確に把握する。貸金業法では自社50万円超または他社を含め総額100万円超の審査で年収証明書が必要とされている点に留意する |
| 他の借入の勘案 | 信用情報機関の情報などを使い、自行・他行のカードローンや貸金業者からの借入を勘案して返済能力を確認する |
| 保証会社との連携 | 代弁率・応諾率の推移などを分析し、年収に対する借入額の比率を意識した審査方針を保証会社と協議する |
| 貸付け後の管理 | 貸付け後も顧客の状況に応じて信用状況の変化を定期的に把握する |
いずれの項目も「努める」という努力義務の形で書かれています。法律による一律の上限ではない点が、総量規制との違いです。
金融庁の実態調査(2018年8月)で分かったこと
金融庁は2018年8月22日、106行を対象にした銀行カードローンの実態調査結果を公表しました(2018年2月末時点)。主な内容は次のとおりです。
- 貸金業法の基準(50万円)以下で年収証明書を求める銀行が約9割(96行)になった(申し合わせ前は約1割)
- 約9割の銀行が年収に応じた貸付上限を設け、そのうち約7割が他行・貸金業者の借入も含めて考慮。年収の2分の1を目安とする例が多い
- 「収入証明書不要」などの不適切な広告表現はすべての銀行で取りやめられた
- 貸付け後に収入を定期的に確認する銀行はほとんどない
調査は2018年時点のものです。現在の各銀行の審査基準は公表されていないことが多く、本稿では推測しません。
商品ページで確認できること
三菱UFJ銀行「バンクイック」の商品詳細には「利用限度額50万円超をご希望の場合、収入証明書の提出が必要」と書かれています。三井住友銀行カードローンは、保証会社としてSMBCコンシューマーファイナンスの名前と審査がある旨を記載しています。銀行カードローンの多くは保証会社の保証を条件にしており、返済が滞って保証会社が代わりに弁済した場合、以後の窓口が保証会社になることがあります(バンクイックの商品詳細に記載)。条件の比較は銀行カードローン2商品の公式条件にまとめています。
相談先・申込先の選び方
銀行のカードローンに関する苦情や紛争の窓口は、各行が契約する指定紛争解決機関です。バンクイックの商品詳細では全国銀行協会相談室(0570-017109、03-5252-3772)が案内されています。返済そのものが難しくなった場合は、借入先の銀行に早めに連絡し、法テラスや自治体の多重債務相談窓口も利用できます(返済に困ったときの相談先)。
出典
- 全国銀行協会|銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせについて(2017年3月16日)
- 全国銀行協会|銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ(PDF)
- 金融庁|銀行カードローンの実態調査結果について(2018年8月22日、PDF)
- 金融庁|貸金業法Q&A
- 三菱UFJ銀行|カードローン「バンクイック」商品詳細
- 三井住友銀行|カードローン
確認日:2026-10-12。金利・返済条件・制度の運用は変わることがあります。申込みや返済方法の変更の前に、各公式ページと契約書面の最新の記載を確認してください。
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